採用活動で成果が見えないときに考えるべきこと

2022年10月06日

クライアント企業様と事業の立ち上げや成長の課題解決に取り組んでいる際に、採用についての悩みも出てくることが多々ございます。人はビジネスを推進する上で最も重要です。では、具体的にどのような悩みがあるのでしょうか。この記事では採用という企業成長に重要な面にフォーカスをして掘り下げていくとともに、大小様々なデジタルビジネスに関わってきた弊社の経験から失敗と成功を分けるポイントについて考察していきます。

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採用は知的生産に価値をおく企業の生命線

弊社では事業のグロース(成長)にコミットした支援をしております。その中には、戦略の描画、新規事業の立ち上げから、顧客の定着化、売上アップ、コストダウン、マーケティング、資金調達、人の採用、チームマネジメントなどご相談をお受けする範囲は多岐に渡ります。その中でも、事業推進をしていると、必ずと言っていいほど課題になるのが採用問題です。

各社「異口同音」に若くて優秀な人を採用したいと思っています。もちろん他社も採用に多額の予算をかけおり、力を入れていますので、優秀な人材ほど激しい取り合いになります。一口に優秀と言っても定義は各社で様々です。とりわけ優秀な人材と呼ばれる人ほど採用市場にほとんど出てきません。彼らはオファーの金額で入社を決意する方もいれば、やりがいで決める方もいますし、被採用者側の意思決定ポイントも様々です(大抵は複雑です)。

まずは、何故ここまで採用が重要なのか理由を考えてみましょう。

採用は成長企業の生命線で最重要事項

まず結論を言うと、企業にとって採用は生命線です。なぜでしょうか。企業も事業内容や環境に応じて変化していきます。社会に価値を届けて、その対価として売上が出ます。社会への還元を納税という手段で捉えている企業もあります。いずれにせよ、社会の状況は変化します。そして変化した社会に対して、また企業も変化していきます。この時、社会の変化を適切に捉えること(社会課題の創造、顧客課題の創造)、必要なものを生み出して届けること(プロダクトの創造と提供)、対価をもらうことが重要になります。

プロダクトを創造して提供する。これは知的なプロセスです。

話を単純化するために、企業価値がどのように生み出されるかを表現するならば「創造する→製造する→提供する」です。製造する行為と提供する行為は、タスク化できれば知的創造ではなくなり、問題解決は比較的優しくなります。ですが、創造的な行為(クリエイティビティ)は知的活動のため、本来的な意味のタスク化はできません。例えば、事業の立ち上げ初期では、まだ顧客課題が何かも、何を届ければ良いかも、届け方も、何もかもがはっきりしていません。このような状況ではクリエイティブな人材が必要になります。他には、社内活性化企画をする行為もクリエイティブな知的活動ですし、Webサイトのデザイン設計やデータ設計も知的活動です。

さて、採用市場でいわゆる優秀人材と呼ばれる人は創造的な行為(クリエイティブな行為)をできる人と言い換えて良いでしょう。人によってはあれこれ条件をつける方もいますが、シンプルに創造的な行為をできる人という理解で良いでしょう。

別の角度で採用を考えてみます。企業組織は人が経営するものですが、同じことの繰り返しでは環境が変化しない限り今の延長の結果しか手に入りません。時には環境が変化し、自社にとって機会にも脅威にもなります。企業経営において現状を打ち破り、企業価値向上に向けた最重要の一手が採用という見方ができます。ありたい姿になるため、採用という戦略をとる。ここをもう少し掘り下げてみましょう。

前回の考察記事(新規事業(スタートアップ)成功の鍵は顧客目線とユーザー目線)で述べていますが、マネジメントが「管理」の色が強くなるケースはよく起こります。マネジメントが工場のように組織を定義すると、アウトプットを最大化するため、生産ラインのスループットの最大化を狙うように組織運営を行うようになります。ルールを制定し、マニュアルを定め、アウトプットの品質を一定にとどめようと「努力」します。その他あらゆる生産効率を上げる試みを実行します。環境変化が緩く、安定した顧客基盤を持ち、◯ヶ年計画が予測通りに進行する状況にいる時代は良かったのです。コストを最大限減らして効率を最大化しながらスケールすれば、利益成長を達成できます。いわゆる「プロ経営者」が得意とするところです。

しかし、既にお気付きのことと思いますが、VUCAやニューノーマルという言葉に代表されるように、変化が速く不確実な環境がより強くなってきている21世紀においては、生産工場的な組織マネジメントは早々に破綻します。予測の前提となっている事柄が変化して、すぐさま計画の修正を迫られてしまい、計画通りに事は進みません。生産向上的なマネジメントの意思が浸透した組織は活力も失われ、イノベーションの芽を摘むことにも繋がります。

現代は世界的にも急成長企業であるスタートアップが盛んになり、特にインターネット技術を駆使したソフトウェア企業の企業価値は桁違いです。例えば、Microsoftは1975年創業、Appleは1976年創業、Amazonは1994年創業、Netflixは1997年創業、Google(現アルファベット)とTencentは1998年創業、アリババとSalesforceは1999年創業、Teslaは2003年創業、Facebook(現Meta)は2004年創業、Airbnbは2008年創業、Uberは2009年創業、TikTokのByteDanceは2016年創業です。特に、ここ最近の世界の時価総額企業の上位に食い込む企業には創業から日が浅いIT企業がひしめいています。こうした企業は投資家から多額の資金調達を行い、自社の利益の再投資先としても採用に特に力を入れています。人をとるためにM&Aすることもあります。優秀人材を獲得できれば時価総額向上の力強い一手になると理解しているからです。超優秀人材には1人の年俸オファーに2000万円〜3000万円以上を出す企業も多くあります。さらに特別待遇もつけたりと、どんな手を使ってでも採用するという強い姿勢が見てとれます。こうして、年々採用市場は激化しています。弊社が受ける採用課題の相談も、ほとんどはこの手の採用激化背景の影響を受けています。

採用できない企業はどうなるのでしょうか。社員の平均年齢は年々上がっていき、時代の変化に社員は対応できなくなってきます。同じ企業に長く勤めている社員同士は価値観が似てきます。社長や経営者が危機感を抱いて社内改革を実行しようにも、抵抗が強くなります。内向きにも外向きにも魅力的な職場にならず、離職率も高くなります。創造性を発揮するような化学反応は起こりにくくなります。運良くスーパー社員がいれば、その人の奮闘でなんとか乗り切れることが奇跡的にあるかもしれません。しかし現実はそう甘くありません。そんな奇跡は何度も続きません。これは男性だけの職場、女性だけの職場、年配だけの職場、大企業出身だけの職場、日本人だけの職場など、企業内部の価値観の固定化が発生する条件は様々です。これがダイバーシティ経営の日本でも注目されている理由です。

例えば日本の時価総額上位の企業であるリクルートの平均年齢は38.7歳です。リクルートは意図的に平均年齢を低く保つ経営を実行している企業で有名です。平均年齢を下げるために、若い人を採用して活躍の場を用意することはもちろん、早期退職制度などを用意して組織の新陳代謝の活発化を図っています。

平均年齢を下げれば良いかというと、もちろん違いますが、平均年齢に着目して一手を講じるのも大事です。ダイバーシティ経営、そして社員の若返りを狙って採用活動を行っても成果が出ない企業も当然あります。特に、現在では若い人たちの価値観も多様化していき、企業選定の基準もバラバラです。

今の時代に合う採用活動をするためには、単純に媒体に出稿したり、ヘッドハンターに依頼したり、広報活動を頑張るだけではダメです。戦況を変えるだけの十分な採用は見込めないでしょう。通常は採用計画を見直しますが、筋の悪い採用戦略を立てていませんか?成功するためには採用戦略を立てましょう。採用戦略はあるのに長い間成果が出ていない、期待通りの成果にならない場合は、戦略を見直す時期かもしれません。戦略立案は創造的な行為です。ありたい姿(As-Is)を思い描き、そこに達成するための必要な戦略的なステップを描くのです。ありたい姿に達するために必要なもの手段を検討していきましょう。筋の良い戦略をもとに、採用計画に落とし込み採用施策を実行するのです。採用のための広報活動も説明会も社員インタビュー掲載も、戦略の血が通ったもので無ければ意味がありません。

経営から現場まで血の通った採用活動を実行しましょう。


今回の記事では、企業活動の中核とも言える「採用」の課題について解説しました。

もし現在、採用課題を抱えていて思った成果が出ていない状況に陥っている場合には、無料相談も受け付けております。ぜひお話しをお聞かせください。お待ちしております。

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